書評#1 三日間の幸福/三秋 縋

懐空堂 書評及び読書レポート#1

 

記念すべき第一回は三秋 縋さん著書の「三日間の幸福」をご紹介します。

 

「三日間の幸福」は元々Web作家であった著者の

「寿命を買い取ってもらった。一年につき一万円で。」というWeb小説を

  書籍化したものです。

 

まず、装丁が美しく、とても目を引かれてしまいました。

私は装丁に目を引かれて小説を買うことも多々あるのですが、

これほど何か胸に迫るものを感じた装丁はなかなかなく、購入しました。

 

さらに寿命を買い取ってもらえる、という設定にもなかなか惹かれ、

購入後は一気に読み終えてしまいました。

 

例えば、今このブログを読んでいる皆さんが寿命を買い取ってもらえる、と聞いて

自分の寿命は一年、平均いくらで買い取ってもらえると思いますか?

一億、一兆、はたまたそれ以上か…

そう考える人も少なくないでしょう。

 

しかし、この主人公はたった一万円ぽっちで買い取ることができると言い渡され、

結局残りの人生三ヶ月を残して寿命をほとんど売ってしまいました。

そして、そこから毎日監視員がつく生活が訪れ、彼の余生を大きく変えていくことと

なります。

 

最後まで読み終えた感想としては、どこかファンタジーチックでありながらも

誰かが傍にいてくれることの愛しさを感じさせてくれる物語でした。

切なさも虚しさも苦しさも、様々な感情が宝石のように散りばめられていて

美しく徐々に徐々に輝きを増していくような、そんな感じがしました。

 

この物語はやはり一気読みするのがお勧めです。

というより、自然にページを捲る手が止まらなくなってしまうのではないかと…。

 

すごく美しく愛しい物語です。

三秋さんの著書は他にもあるのですが、その全てが読者の胸に必ず何かを

響かせてくれることは間違いありません。

 

内容としては少し難しい物語でもあるのですが、自信を持ってお勧めします。

ぜひ読んでみて下さい!

 

以上を持って書評とさせていただきます。

閲覧ありがとうございました。

 

※小説の感想などは個人の見解によるものです。

 そこを理解したうえでお読みいただけると幸いです。

 苦手だなと感じてしまった方は申し訳ありませんがブラウザバックお願いします。

 

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